痔の手術とは
肛門科に来るといきなりおしりを切られてしまうのでしょうか?
緊急の必要があるもの以外は、まず最初の1~2回は薬などで様子を見ていきます。それから、外来処置や手術が必要かどうか決めていきます。
そのときには、痔の状態だけではなく、年齢、持病の有無、仕事の程度、休みをとれる期間などを相談しながら、患者さんに一番合った方法を選んでいきます。高齢者の方には体への負担が少ない手術をします。手術法や入院期間は、医師から詳しく話があります。
痔核(脱肛)の手術
結紮切除(けっさつせつじょ)手術が基本です。再発の心配はありません。痔核は2〜3ヵ所に分かれていることが多いので、傷も2~3ヵ所に分けて切ります。入院期間は、2~3日間です。またジオン注射療法も可能です。
裂肛(キレ痔)の手術
中等症のものは内括約筋切開術を行います。これは日帰り、または1泊入院で出来ます。重症化したものは、皮膚弁移動術(SSG法)という方法でキレ痔を切り取って肛門を広げます。入院期間は、2~3日間です。
痔瘻の手術
肛門にできた瘻管(ろうかん)というトンネルを切り取って穴をふさげば良くなります。肛門括約筋をなるべく傷つけない手術法で術後の後遺症を減らしています。入院期間は、2~3日間です。複雑な痔瘻では1週間の仕事休業が必要です。
ジオン注射療法
内痔核、脱肛を新しい注射薬「ジオン注」で小さくしてしまう方法です。日帰り、または1泊入院で可能なうえ、手術後の痛みもほとんどありません。ただし、ジオン注では治らないイボ痔もありますので、医師にご相談ください。