肛門疾患

肛門疾患 Anal Disease

痔の3大疾病は痔核、裂肛、痔瘻です。 痔の3大疾病は痔核、裂肛、痔瘻です。
痔の病気の約4分の3は手術をしないで良くなります。悪化させて手遅れになる前に早く治療しましょう。
当院では年間500件以上の肛門手術を行っています。日帰り手術も可能です。 当院では年間500件以上の肛門手術を行っています。日帰り手術も可能です。

1. かく(イボ痔)

排便時の「いきみ」や立ちっぱなし・座りっぱなしの生活、飲酒などが原因で肛門の血行が悪くなり、血管がこぶ状にふくれて出てくる症状です。多量の出血を来すこともあります。重症化したものは注射療法や手術が必要です。
痔核(イボ痔) 痔核(イボ痔)

【 内痔核の程度 】

直腸・肛門静脈叢のうっ血によって発生する静脈瘤様の病変で、一般的に痔というと内痔核をさすことが多い。内痔核を1度から4度までの4段階に分けると、1・2度は切る必要がありません。薬で治りにくい場合に外来処置(硬化療法、ゴム輪結紮術)をします。3・4度は手術をした方が良いと思います。外痔核がはれて痛みが強い場合、大きい場合には外来で切除することがあります。

2. れっこう(キレ痔)

固い便や排便時のいきみによって肛門上皮が裂けることが原因です。痛みや出血があります。薬の治療が原則ですが、重症のものは手術を要します。

3. ろう(アナ痔)

肛門のくぼみからの細菌感染によって起こります。初期は腫れて痛みが強いですが、排膿した後、肛門の周辺にトンネル状の穴があき化膿を繰り返します。重症化したり、まれにガン化するものもあるので、手術が一番良い治療法です。

4. 便漏れ(便べんしっきん)

高齢化に伴って便漏れを生じることがあります。当院では、便漏れの検査・治療を行っています。医師にご相談ください。

痔の手術とは

肛門科に来るといきなりおしりを切られてしまうのでしょうか?
緊急の必要があるもの以外は、まず最初の1~2回は薬などで様子を見ていきます。それから、外来処置や手術が必要かどうか決めていきます。
そのときには、痔の状態だけではなく、年齢、持病の有無、仕事の程度、休みをとれる期間などを相談しながら、患者さんに一番合った方法を選んでいきます。高齢者の方には体への負担が少ない手術をします。手術法や入院期間は、医師から詳しく話があります。

痔核(脱肛)の手術

結紮切除(けっさつせつじょ)手術が基本です。再発の心配はありません。痔核は2〜3ヵ所に分かれていることが多いので、傷も2~3ヵ所に分けて切ります。入院期間は、2~3日間です。またジオン注射療法も可能です。

裂肛(キレ痔)の手術

中等症のものは内括約筋切開術を行います。これは日帰り、または1泊入院で出来ます。重症化したものは、皮膚弁移動術(SSG法)という方法でキレ痔を切り取って肛門を広げます。入院期間は、2~3日間です。

痔瘻の手術

肛門にできた瘻管(ろうかん)というトンネルを切り取って穴をふさげば良くなります。肛門括約筋をなるべく傷つけない手術法で術後の後遺症を減らしています。入院期間は、2~3日間です。複雑な痔瘻では1週間の仕事休業が必要です。

ジオン注射療法

内痔核、脱肛を新しい注射薬「ジオン注」で小さくしてしまう方法です。日帰り、または1泊入院で可能なうえ、手術後の痛みもほとんどありません。ただし、ジオン注では治らないイボ痔もありますので、医師にご相談ください。